綺麗に食べ終わった皿を片付けるために席を立ち、そのまま洗い場に皿を置いてそそくさと部屋へと戻る。


こういう事に巻き込まれるなら最初から言ってくれれば、私だってそれなりの対応はしたのに。


って、自ら女に囲まれるから、そこんとこ宜しく……なんて事を発言する男も男でどうかとは思うけど。


今後は食事を摂るときは少し距離を空けるべきだと頭に叩き込んで部屋へと戻り、ずっと痛みを与えていた足の傷に治癒魔法をかける。


和らいでいく痛みにほっとしつつも、使える魔力の量が一気に落ちていることに気づいた。


ここは住み慣れたアンゼリオ国ではないし、各国によって聖女が結界を張る範囲が全くもって違う。


この国は王都全体を結界で守っていても、その外は無法地帯と言ってもいい。


旅の途中にいつどこで魔物と出くわしてもおかしくはないし、なんならこの村に今モンスターが現れてもおかしくはない。


いざ事が解決して自分の国へ帰るとなったその時、この命はあるのかどうか……。