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そう試みたのは良かったものの、そう簡単にはいかずに村の人々が夕食をご馳走してくれるとなると三人バラバラで食事を摂るのはおかしな話だ。
渋々呼ばれた食堂の席へと足を運ばせると村の女達が腕を振るって作ってくれた料理達が、私達の席へと運ばれてくる。
どれも美味しそうなものばかりで目移りしそうになる私に、フェイムが小さく微笑む。
フェイムったら、こっちまでその笑みが移って笑顔になっちゃうじゃない。
「顔がだらしないぞ」
「生まれつきこういう顔なもので!」
全く……私に構わないでってば!
ジルを見ることもなくそう吐き捨てて、目の前に並べられたご馳走へと手を伸ばす。
異様にジルとフェイムの周りには、食事を提供してくれた女性たちが集まって、その顔色を伺っている。
「王族直属騎士団長のジルゲイル様ですよね!この間のドラゴン討伐でのご活躍、大変感銘を受けました!」
「本当に……!そんな英雄のような御方が私達の村にやってきて下さるなんて夢のようです!」
どうやらジルはこの国の英雄という立ち位置にいる、人気のある人物……らしい。