置いてけぼりは絶対にされることはないとか出発直後に能天気に思っていたけど、このまま同じペースで進み続けられたら足が動かなくなってしまいそうだ。
あー!情けないったらありゃしない。
まだバレてはいないし、誤魔化しながら行けば今日は何とかいけそうな気がする、いや絶対に何とかするわよ。
「リゼ」
立ち止まった私に気づいた二人が足を止めて、ジルが私の名前を呼ぶ。
故郷が恋しくなっているような雰囲気漂わせたけど、そんなに休憩時間を確保出来なかった。
気を取り直して鞄を担ぎ直して足を進めると、私が隣にやって来るのを待ってくれる二人が私の顔を覗き込んできた。
「な、何?」
「いや、女にしては体力がある方だなと」
「両親が冒険者でそれに付き合わされて各地を渡り歩いたから、多少はね」
……嘘です。
今さっき、体力の限界が近くなって立ち止まりました。
意外と私ってか弱いんだな、とか思ってしまいましたもの。