混乱を招いた張本人としてクリフ王子に、何故か私が処罰を受けるようにと命令されたけれど、今回の親玉、メリダに加担していたとされ国王から国外追放を受けたのは、クリフ王子だった。
今はどこか平凡な田舎に、黒ローブの男達や家畜の牛たちと共に暮らしてるとかどうだとか。
そんなクリフ王子のお陰で何とか国外追放は免れた私だったけれど、国王から私にも非があるのではと疑いを掛けられ、結果国境付近の砦に拠点を飛ばされた。
国境付近ということもあり、シェルアバト国とアンゼリオ国の両国が私を監視するのに丁度いいとここに置かれたらしい。
最初は監視という言葉に、息苦しい生活が始まるのかと思ったけど、衣食住が整ってるこの場所での仕事は苦でもなんでもないし、監視という目も月に一度しかやって来ない決まりだ。
小さな祭壇もこの砦にはあるお陰で、力も不自由なく使えるし。
何よりクリスタルの力は失われることもなく、聖女として仕事を出来ることを感謝したいぐらいだ。