再び顔が近づいてきて、今度は長く深いキスをジルが求めてくる。


私もジルのキスが欲しくてたまらなくなって、キスに答えながらジルにも求めた。


ジルに合わせるように呼吸も忘れてキスを重ね、お互いが気持ちを通わせたことに喜びながら唇を離すと、満足気にジルが微笑む。



「そういう訳だ。俺の女になったんだから、手を出すなよ……バカ王子」


「へ?」



ど、どういうこと……?


ジルの視線の先を私も見つめると、そこにいた……というかずっとそこにいたクリフ王子が呆れ顔でこっちを見ていた。


城壁に背中を預けながらふんぞり返っているその姿勢は、ああ〜〜クリフ王子だなあって感じがする。


って!!待って!!!



「いっ、意識取り戻したんですか?!」


「取り戻して悪いか。あー……最っ悪の目覚めだ」



い、今の……今の、見られ、見られて……!!


バッとジルに視線を戻して睨みつけると、楽しそうに笑う彼はお構い無しに私を抱き寄せた。