こんな目で見られるのは初めてだわ。


しかも一応、こちらは人助けしたっていうのに。


まあ迷宮近くにこんな弱そうな女が一人でいるんだもの、無理もないか。


何も言わずに立ち去るのもあれだし、それに何より迷宮近くに人がいるってことも気になる所だし正体を明かしておいた方が良さそうね。


私は迷宮の結界から離れ二人の元に近づきながら、そっと口を開いた。


「初めまして、私はアンゼリオ国の王家に遣える聖女、リゼ・マーキアスです。先程は私が守るべき結界歪みのせいで、怪我をさせてしまってすみませんでした」


まだこちらに警戒心を向ける二人の近くにたどり着き、小さく膝を折って頭を下げると、二人は顔を見合わせるや否や驚いた様子で私に食らいついてきた。



「待て、あんたが聖女だと?!」


「こんな幼い子が聖女だなんて聞いたことがない……!」


「ましてやこんな国境付近の辺鄙な場所にいるのもおかしい。本当に聖女なのか?魔物が姿形を変えて人間を襲うという状況なんてざらにある。聖女という証明をして見せてほしい」


なんとまあ〜〜すごい疑われようですこと。