私一人の魔法じゃ無理なのは重々承知している。


横にいる頼もしい仲間に急ぎ今後の動きを伝える。



「フェイム。この空間内での転移魔法は使えたりする?背後から回って、彼女に奪われたクリスタルの力を取り戻したいの」


「そんな簡単な魔法だけでいいの?」


「じゃあ、それに追加で彼女を動きを封じる魔法もお願い」


「了解。次の攻撃を繰り出すほんの一瞬の隙を狙うから、構えだけはしっかりね」



頷きながらフェイムを守る結界を作り出した後、メイが次の攻撃を繰り出すための僅かな時間をフェイムは見逃すことなく、魔法を発動させる。


瞬きを一つしただけの時間の間に、私はメイの真後ろに立ち光の盾を作り出しそのまま彼女に激突させる。


振り返ったメイだけど、急に移動した私に驚きを隠せない表情のまま、傾く身体をコントロールさせるのは出来なかったらしく、そのまま身体を地面に叩きつけた。