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三対一では分が悪いと判断したメイは後ろに控えていた黒いローブの男達に合図を送ると、男達は腰から剣を抜き一斉に襲いかかってきた。
だけどジルはそんな男達に怯む様子もなく、複数人相手に見事な剣捌きを披露してみせる。
「こっちが終わり次第、一気に片付けるぞ!それまで頼む!」
余裕そうに見えるジルを援護しつつも、フェイムと私はメイが繰り出してくる攻撃魔法を防御をしながら、この敵の対処方法を絞り出していた。
短剣で戦うのには距離が詰められないと判断して、剣術ではなく魔法で対応する頭の回転の速さから、彼女の隙を作るのは中々に難しい。
「守ってばかりじゃなくて攻撃しないと、押されて負けるわよっ!!」
火力の強いメイの魔法は防げないことはまずないけれど、確かにじりじりではあるものの距離を詰めてくる。
絶対に私は死ぬ訳にはいかないのよ。
だったら守りの一手ばかりじゃ決着は着くわけない。
まずは……クリスタルの力の解放をして、メイが本来持っていない力を取り返す必要がある。