流れる魔力を使って私も襲いかかってくるメリダに備えようとすると、ジルが私の前に立つ。


「あんたじゃ無理だ。あの殺気……只者じゃない」


「でもこれは私が片をつけるべきことよ」


「リゼ、俺を守ってくれるんだろ」


「ええ。もちろんよ」


「――なら、俺も大切な女を守らせてくれ」


ジルのその言葉の意味が理解出来ずにいると、私を置いてジルがメリダに向かって切りかかっていく。


お淑やかで上品で女の子らしいと噂されていた彼女は、そんな欠片は一つも持っていない。


ジルの剣捌きについていくだけではなく、魔法を駆使して攻撃を仕掛けてくる。


「ああ!本当にウザい!何なの?!聖女の座だけじゃなくて、リア充を見せつけてくるとか!あたしだってキラキラした青春を味わいたかったのに!」


よく分からない単語を吐き出すメリダに、眉間にしわを寄せたまま首を傾げた。