「よくもまあ、あたしが黒幕だって尻尾を掴んだね。そこは褒めてあげる」


「それはどうも」


「はあ……でもその被害者面してる、あんたの顔は見てて本っ当にウザい。なんで死んでくれないの?ねえ?なんで?」


笑みを浮かべていた顔が威圧を放ち、真顔のまま私に首を傾げてくるメリダに恐怖を感じた。


それでも負けてはいけないとクリスタルをきつく握りしめながら、私も前へと身を乗り出した。


「私が死ななきゃいけない理由は、どこにもない」


精一杯の威嚇をした私だったけど、メリダには何一つとして効果は無かったのか歪んだ笑みを再び浮かべたかと思えば、壊れたように笑い出す。


響き渡る笑い声に私達は眉間にしわを寄せ、体制を構えた。


「死ななきゃいけないのよっ、あんたは!そういう運命にあるの!あたしの人生狂わせたように、あんたの人生だって狂わせてやる!!」


「何が目的なの?関係のない人まで巻き込んで、苦しめて!」


怒りに支配されてきた私はメリダに噛み付くように声を荒らげると、心臓を射抜くような鋭い視線でメリダがこちらを見つめてきて背筋が凍った。


「巻き込んだ?苦しめた?じゃあ、あたしは?本来だったらこの場所に存在しなくてもいいはずのあたしが、巻き込まれたのは?あんたのせいで、これまでの努力した時間が全部意味がなくなったのは?どれだけ苦しんでもがいたとしても、誰も救いの手を差し伸べてくれないあたしはどうなんのよ!!」


「メリ――」


「三年前にちゃんとこっちに聖女の資格が、器がやってくるように計画を練って動いていたっていうのに、あの女はあんたを選ぶし!!使えないと判断された私は用無し、結果的に捨てられ!!全部あんたのせいよ!!」


玉座から立ち上がったメリダは私を睨みつけたまま一歩、また一歩とゆっくりこちらへ近づいてくる。