問題はここから。
一体私の偽物はどこに姿を眩ませているか、思考を張り巡らせても向こうの考えは見えてこない。
こんな魔法陣を上空に作り出してるとするなら、魔力が集まりやすい場所?それとも影からこっそり覗いてるパターン?
走りながら荒らされた部屋を見渡しては、偽物の居場所がどこかを必死に探す。
手当り次第この広い建物内を探すのも馬鹿馬鹿しいし、かと言って目星があるかと言えば……そんなものもない。
焦ってはしょうがないとは思っているのに、見つけられない時間の間にこの国に厄災の手が届いてしまったら――。
「きゃぁあっ!!」
不安をかき乱すような叫び声が奥の玉座の間から聞こえてきて、私は警戒するジル達を置いて一目散に謁見の間へと急いだ。