パラパラと土埃が上から落ちてきて、その衝撃が如何に大きいのかが分かる。
ここから先は私が前を歩いて行って不利な状況になった際に動きにくいだろうと思い振り返って二人を見ると、何も言わずにジルが先頭を切りフェイムが私に近寄ってくれた。
ジルの後ろ姿を追いかけながら、しばらく水路を辿って進むと前方から生ぬるい風が吹き抜けてくる。
……どうやら出口はすぐそこのようだ。
「地下を抜ける前に防御魔法をかけるわ」
「変な魔法はかけんなよ」
「だから、そんなことはもうしな――」
「信じてる、リゼ」
優しくもしっかりとしたジルの言葉に強く頷いて、見つけた地上へと続く階段を駆けると重たい古びた鉄の扉が待ち構えていた。
スラリとした手からは考えられない力で重たい扉を難なく開けるジルは、空いた片手で剣の鞘に触れる。
外に出ようとする二人に防御魔法を唱えて、心の中で必死に祈る。
……どうか。どうか、神様。
私が二人を守りきるための力を、勇気をください。