王都に近づくに連れて地上からは混乱した悲鳴があちこちからこだまして聞こえてくるのを、眉間にしわを寄せながら聞いていた。


一刻も早く皆の安全を確保したいが故に、リュードルにスピードを上げるように指示すると、上空の魔法陣から出ている霧が己の意志を持って槍のように鋭利な形状に形を変え、私達を攻撃してくる。


敵の動きを見てリュードルは余裕な素振りで回避するものの、速度は減速してしまう。



『ここは一度別行動を取った方が良さそうだ!我は上からこの魔法陣をどうにかしてみる、リゼは城に乗り込め!』


「分かった!」


ジルとフェイムの手を勝手に取ると、私は滑るようにしながらリュードルの背中から飛び降りた。


「ばっ……!」


ジルの驚きを隠せない声が耳元で聞こえたかと思えば、いつの間にかジルに抱き寄せられていた。


違う!!こんな展開求めて飛び降りたんじゃないんだってば!!


熱くなる体をどうにかしないと、頭が働かない。


本来の力が元に戻った私には、何も考えずに飛び降りたわけないんだから。