「直にギルドの方々がやって来ます。この場は我々が引き受けますのでどうぞ、先へお進み下さい」


「……トウハさん。どうかルリナさんを守ってあげてください。彼女も自分の欲はあったとはいえ、これは彼女の意思ではありません。そこは私の口からも説明しに行きますから」


「接触してきた何者か……ですね。どうかこの陰謀を断ち切ってください。貴方様の瞳には前に見た時の迷いはもうありません。どうか、ご武運を」


その言葉に強く頷いてからフェイムの状態を観察してから、口を開いた。


「フェイム、アンゼリオへって転移魔法を発動できる?」


「さっきのが不発だった分、まだ魔力は残ってるよ」


「なんか分かったのか、リゼ」


「……まあね。あのね、二人共――」


「言われなくても、リゼとの旅はまだ終わってないんだ。もちろん俺たちはついて行く」


予想外なことに追加料金も何も発生せずに、当たり前のように私に着いてきてくれるようだ。


泣きそうになるのをぐっと堪えるように手に取った壊れた鈴をきつく握りしめて、もう黒幕を逃がすものかと自分の心を奮い立たせた。


フェイムが魔法陣を作り出し、今度こそ私が守るべき国であり敵地へと向かう。


――そう、全てを終わらせるために。