トウハさんに腕を押さえつけられたルリナさんは肩を震わせ、大粒の涙を零す。
暴れ、抵抗してこない彼女をトウハさんは優しく抱きしめた。
「私……一体何を……トウハ……トウハ……」
「ルリナ様、私はここにおります。もう大丈夫です」
トウハさんの胸で泣き始めた彼女を、ジルはただ黙って眺め一つため息を零した。
人騒がせな奴め……とでも言いたそうだ。
その気持ちも分からなくはない、けどルリナさんが悪いわけじゃない。
私はフェイムに肩を貸しながらゆっくりとルリナさんの元へと近づいて、ジルが切り捨てた壊れた鈴を拾い上げた。
「リゼが鈴のことを呟いていてくれたお陰で、事が簡単に済んだ。ありがとな」
「ううん。私のせいで危険な目にあわせてごめんね」
「今回は皆、お互い様って事にしておこう」
フェイムの提案に三人して頷いて小さく笑うと、トウハさんの耳が何かを捉えた。