ここから資金を節約するためにまた歩いて帰るんだから、考え事して道端で怪我なんかしてたら時間は倍にかかる可能性だってあるのだから。
傭兵を雇うため街のギルドへと向かう途中、穏やかだった街のはずなのに荒波が立ったかのように人々がざわめき落ち着きがない。
「この街に、魔物を引き連れた盗賊が近づいてきているって本当なのか?!」
「俺は飛竜が群れを成して近くの村を襲ってるって聞いて――」
混乱した様子で男達は武器を片手に、女達は子供やお年寄りを連れ避難している様子だ。
もしかしても何も無い、これは私の偽物がこの街すら手を出そうと動き出しているようね。
急いで帰えるためには、傭兵を雇う次いでに速い足を確保するのも必要になりそうだ。
高位の魔法道具を使用した馬車でも借りられれば、休まず寝ずに走り続ければ最低でも三日ぐらいで辿り着けるはず。
リュードルみたいに乗せてくれるドラゴンでもいれば話は別だろうけど、今はその案は却下。