空気が変わったと気づいた時には、そこに広がるクリスタルを散りばめた植物達が頑なに何かを守るようにそこで息を潜めていた。
大森林の中心に位置するこの場所は本来だったら人間の足では踏み込むことの出来ない聖域。
大きく弧を描く湖の真ん中にそびえ立つ、大樹が見事な白い大きな花を咲かせていた。
その花に光は帰るようにして足を止めた私達を置いて、ゆらりと上っていく。
花が瞬いたとそう思った時には、黄金に輝く髪を靡かせた絶世の美女が花の上にいた。
花に似たシルクのような滑らかな白いローブデコルテのドレスのような服から覗く、真っ白な細くスラッとした長い手に、ラベンダーの花のような紫色の瞳を持ち合わせた一人の女性。