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決意を固めた私は、泣き止んだ空に浮かぶ太陽の光が差し込む道を進み、ぬかるんだ大地を力強く踏みしめていく。
雨宿りをジルと二人でしていた間に、フェイムが話を付けていたようで、一粒の光に案内されながら前に進み続け、時折聞こる透き通った音色に耳が癒される。
相変わらず、ジルはどうしてこんなスムーズに前に進めているのか少々不満そうだけど。
いつの間にか霧は晴れ、見た事のない生き物達はなんだなんだと遠巻きに私達を眺めていた。
見知らぬ土地だというのに安心感に包まれていると、ふと空間の歪みが見えた。
「すごい複雑な結界……」
幾千もの術式を織り交ぜ、強固に強固を重ねた結界は、私の辿り着くべき終着点を示していた。
フェイムが手をかざすと、ポッカリと私達が通れるだけの穴が出来て、その結界内にいよいよ足を踏み入れる。