ジルの言葉に強く頷くと、洞穴の入口に出来た水溜まりに光が反射していた。


気づけば雨音は止んでいて、木々の生い茂る葉から雫が一つまた一つと落ちてきていた。


「雨、止んだな」


「うん。そうだね」


雲の隙間から覗く太陽が、先に進むべき道を迷わないようにしっかりと照らし出していた。


この旅が終わる時、私の気持ちをジルに伝えよう。


自分を押し殺す必要はないんだって、彼が言ってくれたんだから。


もう少しで終わるこの旅を大事に大事に歩みながら、やってくる別れをしっかりと受け入れるために。