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いつにも増して森がざわめいているのは気の所為だろうかと、足を動かすにつれて背中にゾワゾワと何かが張り付いていく。


見渡す限りいつもと変わらない森だけれど、木々が草が妙に震えている。


子ドラゴンもその気配を感じ取るや否や、妙に腕の中で暴れようとゴソゴソ動き出す。



「大丈夫よ。お家はすぐそこだから！」



だから暴れないでと宥めようとしたその時、煩く鳴り響く地響きが鼓膜を揺らす。



何事かと思って音のする方へと視線を動かすと、身動きが取れなくなった。



「グォォオオン！！」



木々を薙ぎ倒し地面を抉る巨体が炎を吐き、灼熱の炎が空気中の酸素を薄くする。


大きな翼から生み出される突風に髪の毛は荒らされていき、揺れる地面に真っ直ぐ立っていられなくなってその場にしゃがみ込んだ。


どうしてこんなタイミングで結界を破って出てきちゃってるのよー！！


今お家に帰す所だったのに、迂闊に近づいたら私死んじゃうよ？！