よろしいと言わんばかりの満足気な表情を浮かべるフェイムの顔を、まじまじと見つめた。
そういやこんな近くでフェイムの顔なんか意識して見たことなかったかも……。
初めて出会った時もジルばかりに気を取られていたけど、フェイムだって鼻筋が通っていてとても綺麗な顔をしている。
琥珀色の輝く髪は艶やかで風に靡く度に色を変えたり、見ているだけで心地良さをもたらす。
ジルに抱きかかえられた時には感じられなかった安心感と、歩く度に微かに揺れる振動が私の睡魔に刺激していく。
今にも意識が飛びそうになる中で、フェイムが小さく笑っておやすみと優しく声をかけてきた。
促されるまま重たくなっていく瞼を何ら抵抗することもなく受け入れて、眠りへと落ちた。