気がついたら私はいつの間にか外にいて、泣きじゃくるゼノに迎えられながら、日の光がこんなにも温かいものなんだと改めて実感する。


謝るゼノに約束したでしょ?と声をかけるけれど、実際のところ破る寸前だったことは今は黙っておくことにした。


ゼノの相棒だという馬の下半身と鷲の上半身が特徴のヒポグリフの背にゼノの弟――ルノを乗せ、一先ず先に二人を家へと帰すことができた。


二人を乗せたヒポグリフを見送りながら、肩の荷が降りた私は体の力が抜けていくのを感じなんとか足に力を入れようと試みた。



「無理はしないこと。君は聖女様なんだから」



そう言って横から私の体を支えたフェイムは、直ぐ様軽々と身体を抱き上げて来た。



「フェッ、フェイム!!私、重いから……!!」



抵抗しようと身体に力を入れようとするけれど、言うことは聞くことなくただフェイムの腕の中に収まっていた。