面倒事ばかりによく首を突っ込む子だと母には宥められることも暫しあったけど、命に危険があることに首を突っ込む子に成長してるだなんて思ってもいないでしょうね。
凍てつくような周りの空気に呼吸することすらさえも、難しくなって来た。
それでも私は最後まで、この胸の中でゼノの元に帰さなきゃいけない弟さんを離したりはしない。
痛みを知るのは私だけでいい、この子は何も関係の無いもないから。
全身の熱が奪われていく中、震える身体でそっと少年を抱きしめた。
ゼノ、約束守れそうにないや……ごめんね。
目の前で飛竜が作り出した氷柱が私目掛けて飛んでくるのが、やけに遅く感じて自分の死が近いことが何となく分かった。