足音も自分が歩く度に音が響いては、洞窟内に吸収されて消えていく度に自分は一人ぼっちなんだなと思い知らされる。


「ふぅ……」


ため息すら着くことも躊躇するくらい、音を発することで何かに気づかれそうになりそうで体に緊張が走る。


その緊張感を背負いながら暫く歩くと、道が枝分かれするように複数の道に別れていく。


どれだけ光で照らした所で、どの道も目を凝らした所で暗闇だけが広がっている。


ここで仮に道を間違えたとして、私を待っているのは希望かはたまた――絶望か。


どっちにしろこの場で足を止めたら、どちらもやって来ることはない。