しかも大森林を守る、守り人の息子よ?


将来的にはこの子が役目を担う時になったら、友好関係築いていた方がよっぽどいいって言うのに。


この街は大森林から得られた素材を使って経済を回してるのに、それに協力してくれる相手を自ら潰しにかかってるってこと分かってないのかしら。


それでもこの街が栄えているのは、きっとゼノのお母さんがいい人だからなんだろう。


周りから言われる嫌な言葉も全て飲み込んで、大森林を守りそこで生活している人々を生かしているなんて……尊敬しかないわ。


「オレそんな風に言われたの初めてだよ」


「聖女をする前は色んな国を渡り歩いていたの。その場所その場所で、色々な種族が共に生活していたのを見てきたから。人と姿は違っても嫌う理由はどこにもないでしょ?」


「ありがとう」


小さく笑ったゼノを見て思わず、こっちまで笑顔が移ってしまう。