訂正しようにも、もう遅く


ホッと分かりやすく安堵の表情を見せた彼は





「じゃあ……キスは、いいんだ?」





嬉しそうに


そして口角を上げて





「ちが、っ……」





幾度も口付けをする。





今まで出来なかった分を埋めるかのように


角度を変え、何度も。





触れるたびにキュッと目を閉じた。




それはそのキスを感じたいからとかそんな恥ずかしい内容ではなくて、ただその綺麗な顔をドアップで見れないから。



この状態で目を開けてしまうと、心臓が爆発しそうになるからだ。





「ちょっ、もう、っ…」





息が苦しくなり


その苦しさに薄らと目を開ければ、




ドアップで映る春の顔に





「っ、」





──────息が詰まる。





「ねぇ…っ」





息も


胸も


苦しい。