……ああ、もう。
コイツの言う通り、なんでそんな事を言ってしまったんだろう。
否定するにしても
言い逃れなんて出来そうにないし
「あんなにグッスリ寝ていたら、誰でもそう思うでしょ……」
フイッ、と視線を逸らした。
気づかれて、少し恥ずかしいという気持ちになった私は、なんだか目を見れないから。
身体がほんのりと熱くなる。
そんな中
「っ、」
春が、私に抱きついた。
「ちょっ…無理ってさっき言ったでしょ…」
私の言葉に反して
「うん、ごめん。後で殴っていいよ。」
ギュウ…っと、
「だから、許して」
「っ………」
抱きしめる力が強くなる。
とても、弱々しい声だった。
そんな声で言われると、抵抗しようと動かした手は、力を無くして下へと落ちる。
なんで抱きしめられているのかは全く分からない。
ただ、今の春は
とても弱っているということ。
それだけは、分かる。