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お願いして連れてってもらった場所は



(ひ、広い……)



国内最大級の規模である本屋さん。



ずっと行ってみたいと思っていたけれど、電車で行くとなれば少し遠いこの場所。


そんな場所に、車で連れてってもらった。



車だと意外にもそんなに時間は掛からなくて
思っていたよりも早く着いた。




「広いね~」




いつも通り大きめマフラーと丸メガネをつけるコイツも、この広さに驚いているみたいで、キョロキョロと周りを見渡して落ち着かない様子。




「本がいっぱい…」




きっと、今の私は目を輝かせていると思う。


私にとっては夢の国に見えるから。




「ちょっと…見てきていい?」

「いいよ~ 行っといで」




ニコリ、と優しい笑みを浮かべる彼に許しをもらうと、すぐに店内を回る。



(知らない本がいっぱいある…!)



店には無い本がたくさん。


世界中の本があるんじゃないか、ってくらい多い。




……テンションが上がる。