そんな彼が私の元へとやってくると
「俺の部屋で、何してたの?」
「あっ、本を借りようと…」
「ふぅん。」
なんだか、雰囲気が、違った。
いつもと違う雰囲気に
自然と私は後退り
近づいてくる春は丸メガネを外して綺麗な顔を露わにさせた。
だけど、髪の毛の隙間から見える瞳は
この間のように鋭い目つきで。
「わっ、」
何かに足が引っかかり転倒した先はベッドの上。
後ろを見ていなかったからか、
ベッドの存在に気づけなかった。
「びっくりした…」
身体を立て直そうとするも、
「…………は、る?」
春がそれを阻止するかのように私の顔横に手をついた。
ギシッと音が鳴る。
「………凛、」
もう片方の手が
私の唇をなぞると
「ヤろっか。」
その言葉と共に
「っ、!」
私の口は塞がれてしまう。