「何か気になっているのだろう?」

なんでもお見通しのよう。

「未練がある訳では無いのです·····。」

言い訳をするように私は言った。

「なんでも言うといい。」

一さんの言葉に甘え

私はお話した。

「匂いが·····するのです。

総司さんの·····。」

嘘ではない。

お家についてからというもの、

ふとした時に

総司さんの懐かしい匂いがする。