京の町を出てしばらくすると

もう日が沈み出していた。

「今日はここに泊まろう。」

一さんにそう言われ

宿に入った。

私達は夫婦だから

同じお部屋になった。

一さんと初めて過ごす夜。

緊張しないはずがない。

「明日も早いから

今日は寝よう。」

一さんはあっという間に

お布団に入って寝息が聞こえてきた。