「長い間、お世話になりました。」

次の日、私は父に別れを告げた。

もちろん手紙も書くし、

落ち着けば会いにだって来れる。

けれども寂しかった。

「元気でな。」

そう言って父は

私の大好きな金平糖をくれた。

「行こうか。」

一さんはそう言って歩き始めた。

私も後を追って歩き始めた。

大好きな京の町とお別れをした。