「何でしょう?」

ゆきちゃんから私へ。

一体どんな内容だろう。

「ありがとう。

そう言いながら

これを握っていました。」

それだけでも分かる。

ゆきちゃんは私に感謝してくれた。

“私を送り出してくれてありがとう。”

そう言いたかったのかもしれない。

総司さんの手には

小さな手ぬぐい。

そして中には斉藤さんから

頂いた真っ白なお守りが

真っ赤に染まっていた。