司side


はあ…またやっちまった


一人取り残された人気のない踊り場にしゃがみ込む。


これで何回目だよ、俺


思い出すのはさっきのこと


俺が女子たちに囲まれていた時にアイツ、変な男にひょこひょこついていってた。


すぐに追いかけたかったけど囲まれてたから遅くなった。


見失ってやっと見つけたと思ったら告白されているし


最初は黙って見届けようと思ったけど連絡先交換で簡単に交換しそうだったからさすがに止めなきゃと思って割り込んだはいいけど


「はあ…」


流石に目の前でビリビリにするのはやりすぎだったかなぁ


それに今朝だって


『司は幼なじみ!それ以上でもそれ以下でもない!』


好きなのは俺だけかよ


幼なじみはこれから先も友達以上恋人未満なのかな


「おやおや?イケメンモテモテハイスペック男の司くんがここで何してるのかな?」


階下から声がしてゆっくり顔をあげると


「何だお前かよ」

「お前とは何さ、お前とは」


片手にコーラを持った翔太が立っていた。


「こんなとこで何してんの」

「それはこっちのセリフだよ。なんでそんなところにしゃがみこんでんの?」

「色々とあって」

「ははーん
これは絶対羽衣が関係あるな?」


顎に手を当ててドヤ顔で言う翔太。


「そのキャラキモイ」


「キモイは流石にひどくね」


「翔太くんのガラスのハートに傷が…」とか言いながら笑ってる


そーゆーとこだよ、そーゆーとこ


ホント変なやつ


階段を駆け上がって俺の元へ来たかと思えば


「司くん専門家の榊原翔太です。司くんのことなら何でも知っております。


なんだよ『司くん専門家』って