「ごめんなさい。私あなたのことよく知らないので…ごめんなさい」


深々と頭を下げて丁重にお断りする。


「あ、頭を上げてください!振られる覚悟はあったんで大丈夫です!」


ゆっくり頭を上げて彼の顔を見る。


「振られたのに未練がましいんですけど、連絡先交換してもらえませんか?」


「これ僕の連絡先です!」そう言われて手渡された一枚の小さな紙。


それを受け取ろうとした時


「なに”俺の”羽衣に告白なんかしてんの?」


すごい形相をした司が私よりも先に紙を奪う。


え、なんでここにいるの?


「す、すみません…」


一年生くん縮こまってるじゃん!


しかも”俺の”って…!


それに反応したのは一年生くんも同じみたいで


「あの篠原先輩のものって…?
もしかしてお二人交際してるんですか?」


すっごい司に怯えてるよ


なんかごめんなさい


「そうだけど、なに?」


はあああああ!?


司と付き合った覚えないんですけど!?


「そーゆーことだから。これ以上こいつに近づくな」


より一層強く睨む


だから司くん。視線で人殺さないの


「す、すみませんでしたー!」


司の視線に圧倒されたのか一年生くんは逃げていった。


まって!付き合っているっていう誤解解いてない!


「あ、あのちょっと!」


追いかけて誤解を解こうと思ったけど腕を掴まれて阻止される。


「ちょっと!私司と付き合った覚えないんですけど!?」


司の視線の圧力に負けないぐらい私も睨む。


「誰も付き合っている、とはいってないだろ。」

「でも交際してるって…?」

「交際は付き合いがあるって意味だぞ?男女交際してるのか、とは聞かれてないだろ」


「なに勘違いしてるんだよ」と軽く笑われる。