『2−2』と書かれたプレートの下の扉を通る。


私達の学校は一年生からクラスが変わらない。


だから奇跡的に四人みんな同じクラスだ。


「おはよー」と周りに言いながら自分の席につく。


…とは言っても前が司でその前が莉音。莉音の隣が翔太だから結構仲良し組が固まっているんだけど。


私の隣は空席。先月転校していった子が座っていた席だ。


「あ、やっべ。莉音〜!古典の課題やってきてないから見せてくれ!」


「お願いします莉音様!」と言わんばかりに顔の前で手を合わせて必死にお願いする翔太。


「やーよ。あんたなんか見せるだけ無駄でしょ。司か羽衣にでも頼みな〜」

「ううっ…莉音のケチ」

「ぁあ!?」

莉音ちゃん、怖いです。

「あ、いや、なんでもないです。つかさぁ〜莉音が怖い」

「いつものことだろ」

「司!?」

「…って翔太が言ってます。」

「えぇ!?俺いってねーし!
そんなことより優しくてイケメンでモテモテの司くん。古典の課題を…」

「無理。却下」

「司まで…」

「うるうるした目でみんな気持ち悪い」


相変わらず辛辣だな司


苦笑いを浮かべながら心のなかで『どんまい翔太』とフォローする。


「羽衣〜課題見せてくれよー」


ついに私の所まで来た翔太。


「他の男に借りろよ」


今にも私に抱きついて来そうだった翔太を止めたのは司だった。


「別に俺が誰から借りようが関係ないだろ!?…あっ、なんでもないっす」


そう叫ぶ奴を鋭い視線で睨みつける司。


思わず翔太が黙り込んじゃったじゃん!


司の視線って本当に人殺せそうなぐらいの圧力あるよね


「羽衣から借りるぐらいなら俺の貸してやるから」


そう言って乱雑に課題を出して翔太に渡す。