「みてみて!あの四人が歩いてきてる!」
「みんな幼馴染なんでしょ?どーやったらあんなハイスペックな人達が集まるんだろ」


周りからのヒソヒソ声が耳に届く。


「なーお前どっち推し?坂上羽衣か、西条莉音か」

「えー俺かあ。おれは西条莉音かな。あの大人びたきれいな顔にスタイル抜群じゃん?それに頭もいいとか最高かよ。ボブにあいすぎだし」

「まじかー。俺、断然坂上羽衣だわ。あの可愛い感じ守ってあげたくなるし。ちっちゃくて可愛いし、料理上手で有名だし。俺はさらさらロングの坂上羽衣の方がタイプだわ〜」

「家庭的な子もいいなー。んー、俺どっちもで!」

「それはずるいだろ」



「篠原司くん今日もかっこいい〜。2年生なのにサッカー部のエースで頭もよくてあの見た目!…そりゃファンクラブもできるわけだわ」

「いやいや榊原翔太くんも負けてないよ。同じクラスなんだけどすごく優しくて紳士的!サッカーも上手いし身長も高いしなにより子犬系の顔じゃん!私の中ではナンバーワン」


また言われてる…


どれもこれも事実ではあるんだけど、あんまり言われたくないなぁ…


言われるたびに勝手に他の3人と比べられてる気がするからあまりいい気はしない。


なんてボーッと考えていると


「羽衣ー!遅いよー?」


いつの間にかおいていかれていた私は少し前にいるみんなの元へ向かって走り出す。


「ごめーん!」