そして日が暮れて部活も終わり下校時刻になった。


「はあ…」


司の不機嫌は今も健在


なんでかと言うと


「あーもうお腹すいた〜」

「それな〜なんか食ってから帰ろーぜ」


さっきからお腹が空いたしか言ってない二人がいるから


「俺は羽衣と一緒に帰りたかったのに」

「いーじゃんいーじゃん。四人で帰るのなんか久しぶりだし」

「それにみんな帰るところは一緒でしょ〜」


昔からみんな同じマンションに住んでいる


私と司が6階で隣同士


翔太と莉音は7階で2軒となり


みんなで同じ場所に帰れるっていいな


その後もずっと司は不機嫌だった



「じゃあね〜」


6階組と7階組に分かれる


「…」


そして広がる沈黙


司不機嫌すぎだって!


何も話さず沈黙のままお互い自宅の扉の前で鍵をさした。


「そういえば羽衣、マネージャーなってくれんの?」


鍵を回しながら落ち着いたトーンで話し始める。


「んー、まだわかんないかな。でも莉音大変そうだし頼まれたから前向きに考えようかなって。あ!でもたぶん合宿?は行くと思う!」


返事がないなあと思って横を見ると驚いた様子で見つめてくる


「合宿来てくれんの…?」

「え、うん。多分行くと思うけど…どうかした?」


ハッとなってドアを開ける彼


「そっか、わかった。じゃあまた明日」


一方的に言われて残される私


もしかして司今日情緒不安定?


なんて思いながら私も家に入った


「ただいまー」


寂しさを紛らわすため、あえて大きな声で言う


両親は、数年前に離婚した


原因はお父さんの浮気


だから今はお母さんとお兄ちゃんと暮らしてる


…って言ってももうお母さんはいないけど