ぐいっと私の手を引っ張って連れて行く司。


「ちょっと!逃げんじゃないわよ司―!」


莉音の声がだんだん遠くなってくる。


かと思えば、後ろからも引っ張られてこけそうになる。


「羽衣はあたしのものなの!」


莉音、耳元で叫ばないでくれ…


「いや俺のだろ」


「誰が司に渡すか!あたしのなの!」


「いや俺のだから」


どっちのものでもないんですけど…


「二人とも羽衣が困ってるでしょ。」


ナイス、翔太!


さっきは睨んでごめん!救世主!


「ここは間を取って俺のものってことで…」


「「いや絶対お前のものではない」」


救世主だと思った私が馬鹿だった…


それに莉音と司の声ハモってるし


翔太に至っては目うるうるさせてるし


…何なんだ、この集団


「時間!やばいから早くいくよ!」


「うわっ!いこいこ!」


今日もドタバタな一日の始まりです。