「おい」


いつの間にか目の前まで来ている司。


低い声が聞こえる


え、怒ってる…?


「なんでここにいんだよ」


うわあ、明らかに怒ってる


「私もあんまりわかってなくて…莉音にいきなり連れてこられたら工藤先輩から話があるって言われて」


「工藤先輩に何言われたの?告白とか?」


食い気味で聞いてくる


え、なんで告白?


「莉音が一人で大変そうだからマネージャーになってくれないかった言われて」


告白じゃないということを伝えるとなぜかその場にしゃがみ込む彼


…へ?


なになになに


しかも小声で良かったって言ってるし


かと思うとすぐ切り替えて早く帰れって促してくる


「ええ〜でもせっかくだからサッカー部の練習見て帰るよ」


「なら一緒に帰るぞ。送っていくから」


「いやいやいや!悪いからいいよ」


「だめ。危ない」


危なく…危ないか


というか暗い道を一人は心細いわ


と、いうことでサッカー部の部活を見学して一緒に帰ることになった


みんな足速い…


ルールとかあんまりわからないけどすごいのだけは伝わる


にしても…


「きゃああああ!司くーん!かっこいいー!!」
「工藤先輩ー!!!かっこいいですー!!」
「翔太くーん!!いけえー!!!」


凄まじいな、マネージャーさんの声援


『司』『工藤先輩』『翔太』主にこの三人の名前しか聞こえない


特に、司


一番応援されてる気がする


マネージャーさんがキャッキャキャッキしている間もせっせと働く莉音


ほんとにすごいんだな、莉音


サッカー部の練習よりも莉音の方ばかり見ていると