午後の授業2時間も終わり迎えた放課後


いつも一緒にいる四人だけど放課後はいつも私一人。


その理由は…


「羽衣!あ!良かったいた!」


急いでいる様子でドタバタと教室に入ってきたのは、莉音。


あれ?部活の時間じゃ…


司と翔太はプレイヤーとして、莉音はマネージャーとしてサッカー部に所属している


私もどうかと誘われたが到底私にはそんな事できそうにないので丁重にお断りさせてもらった。


そしてどこかの部活へ所属するわけでもなく、ここ一年は帰宅部をしている。


私をまっすぐ見つめてズカズカと私に迫ってくる莉音


なんだろう、嫌な予感


ガシッと私の方を掴んだ彼女は大きな声で


「羽衣!あんたの力が必要!手伝ってほしい!!」

「うええええ!?」


いきなりのこと過ぎて変な声出ちゃったじゃん!


なになにどーゆーこと!?


「いま暇?この後予定は?」


そんなナンパ男みたいな…


「予定は!?」

「え、えーっとない!」


今日はない、はず!


「よっしゃ!ついてきて!」


ぱっと手を取られどこかに連れて行かれる


莉音が階段も廊下のときと同じスピードで走るから転けそうになる


靴を履き替えてきたところは…


「グラウンド!?」


運動部が活発に活動しているグラウンドに連れてこられた


「えーっと…あ!工藤先輩!」


莉音が真横で大きな声で呼ぶ


だから、耳壊れるって


その”工藤先輩”らしき人はサッカー部の練習を抜けてこちらに来てくれた


な、なんだこのイケメンは


この人どこかで…?


「莉音ちゃーん!羽衣ちゃん連れてきてくれてありがとう!」


満面の笑みで走ってくる工藤先輩


「はーい!」と工藤先輩に答えた後私の方を向いて


「先輩から話があるらしいから」


怪しげな笑みを浮かべてウウィンクしてマネージャーの仕事に戻る莉音


え?え?


私と先輩二人で話すの!?


莉音いないの!?


動揺を隠しながらいまさら逃げるなんてこと私にはできないので大人しく待つ