まあいいか


こいつになら話しても


「実はな…」

「え、話してくれんの!?」


心底驚いている


え、そんな驚くか?


「聞きたくないなら話さないけど」

「聞きます聞きます。いやー、司が俺に恋愛話するの何億年ぶりかなって思って」


そんなに生きてねぇだろうがよ


「俺羽衣が好きなんだよね」

「うん知ってる」

「でな…」


…ん?ちょっとまて


俺こいつに羽衣が好きって言ったことあるっけ


キョトンとした顔で翔太を見つめると自慢げに話しだした


「なんでわかるのかって?そりゃ何年も幼馴染してたら見ててわかるよ。ちなみに莉音も気づいてると思うよ?それに俺司くん専門家なんで!」


まじか…


こわ


幼馴染みこわ


司くん専門家(翔太)こわ


ん?


翔太にも莉音にもバレてるってことは


「羽衣にも、バレたりしてないかな」

「羽衣?あー、あいつは気づいてないでしょ。純粋天使で鈍感だから
それにあんだけ冷たくしてたら気づかないでしょ」


だよね


気づいてないよね


純粋天使、か…


俺から見てもそう見えるけど翔太からもそう見えてるのか


「ちなみに俺は羽衣より莉音派なんで
俺がお前から羽衣を奪うとか考えなくていーから」


誰が考えるか


奪われたら奪い返せばいいだけの話だし


第一、誰にも奪わせねーし


「でもほんとに好きなんだな。
お似合いだと思うよ、俺は。でももーちょっと優しくしてやれよな」


バシバシと肩を叩かれる


こいつ、力加減って知ってるか?