両手を広げてくれた律さんに、ぶつかるように身を預ける

大丈夫、大丈夫。

おだやかで優しい声は、私を頭から爪の先まですっぽり包む。

ゆっくり目を閉じたら、いつの間にかあたたかな感情に、ココロが溢れている。

「今日の撮影、すごくキレイだったんですよ」

今度は、あなたと見たいなぁ。

私を抱きしめたまま、取り出したカメラの画面をスクロールして見せてくれた律さん。

ほら、ね?

「…わ…、」

今日の暗かった夕方を追い払ってくれるような、明るい黄色が目に飛び込んでくる。