「不安で仕方なくて。もし、律さんがいなくなってしまったら。って。律さんは、いつもいっしょにいてくれるのに」

「うん。いますよ。いつも、ね。何があっても」

見つめた律さんの目は、相変わらず優しい。

「…律さん…、私じゃ、ダメなんだって…」

「詩さん。詩さん。誰がそんなこと言ったの?」

そんな風に私に問いかけた律さんは、それでも優しい目をしている。

「…ごめん…なさい…」

感情がぐちゃぐちゃになった私に、

オレがほんとうにあなたに言いたいのは、どんなキオクに引きずられてもいい。それはオレだっておんなじだから。なんどでも何回だって、オレがあなたを必ず引き上げます。だから、大丈夫。

でもね、あなたがダメだなんて、俺はいちども思ったことはないです。あの、いちごサンドの日から今日までいちども。

あなたがただ大切で大事です。

愛おしくて仕方がないです。

あなたと過ごす毎日をひたすらにただ、大事にしたいだけ。

あなただけを見つめています。ずっと。

だから、なんどでも何回でも付き合いますよ。 

あなたのマイナスなキオクに。

ね、だから大丈夫。