「それと……もう俺のこと考えなくていいよ」


──そんなわけない。


「告白のことも、知りたいって言ったことも……全部」


──少しでも意識してほしくて、伝えたんだ。


「忘れて……って言うのは寂しいから、これからは考えないで」


──全部嘘。忘れてなんて口が裂けても言えない。俺だけを考えてほしい。



「ごめんね」



でも、こうすることでしか守れない。


俺が告白したことでサリーちゃんが浮くとは思わなかった。俺がサリーちゃんを1人にさせた。


屋上に行かないのは、寒さだけが理由じゃない。


サリーちゃんが元通りの生活に戻れるように、距離を置くため。


少しでも俺とサリーちゃんの関係がみんなの意識から消えるように。今はこうするしかない。