それでも、私は彼と一緒に居た。

本当に色んな場所に連れて行ってくれる。


ある時は、車を駐車場に止めて、少し山道を上り、やっほーポイントにたどり着いた。

彼は大きな声で「やっほー」と叫んだ

やっほー、やっほーとこだまする。

私も大きな声で叫んだ。

同じように「やっほー」はやまびことなり、こだました。


私が雪が見たいと言えば、何時間もかけて、雪の積もってる所まで車を走らせてくれる。

私が鬼滅の刃にハマっていた頃には、奈良の鬼滅の刃の大きな石が割れている、名所に連れていってくれた。


コスモスが好きだと言うと、コスモスの季節になると、コスモス畑に連れていってくれた。


でもね、どこかで考えていたんだ。

沢山連れて行ってくれることは嬉しかったけど、もしかして元カノと来た所じゃないの?


私は、見えない元カノにヤキモチを焼いていた。
でも、それを彼に尋ねることは無かった。

帰ってくる返事が怖かったからだ。