「ふざけんな。おまえが俺の隣にいなかったら、俺は生きてたって意味ねぇんだよ」
「あかつ──、んっ」
もう一度口を開けば、彼は私の前まで来て……。
顎を持ち上げると、重ねられた唇。
ぐっと強く押し当てられて、すぐに離れていく。
「美鈴、好きだ」
まっすぐに見つめられる目。
熱い手が優しく頬に触れて、こぼれ落ちた涙を拭う。
「俺が美鈴を好きだから、俺と生きるのを諦めないでほしい」
心の奥深くに溶けていく言葉。
私は……本当は、暁が戻ってきくれてどこか安心した。
このビルからすぐにでも出てほしい、って思ってたはずなのに……。
暁にもう一度会えて嬉しかった。
暁に私のことを忘れてほしくなんかないし、暁といる未来を諦めたくなかった。
私は、ずっと暁の隣にいたい。
暁に、私のことを離さないでほしい。
溢れていく気持ち。
私は「……うんっ」と彼の目を見て返事。