「おまえをここに置いていけるわけねぇだろうが!!バカなことしてんじゃねぇ!!」
「……っ」
感じる浮遊感。
私は暁に抱きかかえられた。
暁はそのまま走っていって、部屋のドアノブに手をかける。
鍵がかかっていて開かない部屋が多いが……いくつか確かめたら、開いたドア。
彼はその部屋の中へと入った。
月明かりが差し込む薄暗い部屋。
部屋にたくさん置いてあるのはダンボール。
ここは物置部屋なのか幸い人はいなさそう。
暁、ふらふらしてる……。
足折れてるかもしれないのに私を抱きかかえて……やっぱり、ぜったい無理してる。
「ねぇ、お願い。最後のお願いだから、私のことは今すぐ置いて行って……っ。このままじゃ私、安心して死ねないよ……」
部屋の隅に私をおろしてくれて、ダンボールを移動させて私を隠してくれてる彼を見つめた。