無遠慮に私のスカートをめくると、男性は見えた拳銃を手にとる。



「可哀想だから、頭撃ち抜いて一瞬で殺してや──」





とられた拳銃を私に向けられそうになった時、だった。


──突然、聞こえてきた乾いた音。



大きな音がこの場に響いて、男性が手にしていた拳銃が床へと落下。


さらに続けて乾いた音が聞こえてきて……胸ぐらをつかまれていた手が離れた。



どさっ、と私の体は床に倒れる。



なにが、起きて……。


体に痛みを感じながらも瞬きをすれば、聞こえてくるのはすごい速さでこっちに近づいてくる足音。



「一条……っ!!」



男性が大きな声を出す。
そして、私の歪んだ視界に入ってきた、1人の人物。




その1人の人物は長い廊下を走ってきて……拳を振り上げた。