近づく足音。
私のそばまで来ると私の胸ぐらをつかみあげ、エレベーターからおろした。



「……っ」


無理やり起こされる体。


首がしまって苦しい。
息がしづらい。



少しも動かせない体。

抵抗もなにもできない。


せっかく足にナイフも拳銃も巻きつけてきたのに、動けないんじゃなんの意味もない。




「死にかけじゃねぇか」
「毒がまわってるからもう無理だと思って一条がオンナ置いてったんだろ。せっかく一条を助けに来たのに置いていかれて可哀想に」


「これ、どうする?」
「真帆様が言ってたろ、オンナは殺していいって。ほっといてもこいつは死ぬと思うが、今とどめさしておくぞ」



聞こえてくる会話。
そんな会話のあとに、私の胸ぐらをつかみあげている男性の左手が私のあるところに触れた。



触れられたのは、太ももに巻き付けていた拳銃。
スカートで隠していたけど気づかれたみたい。